都市を読む

日経1面「変わるかニッポン」。ここのところ日経は大都市に注目している。特に「平面から立体へ」というヴィジョンである。これまで政府は容積率規制などで都市のz軸方向の成長を阻んできてその結果、東京はやたらと平面に広く通勤時間の長い使いにくい都市になってきている。これからこのことを変えていく必要はあろう。高層化はその対策にはなる。

要は、環境破壊は何も不法投棄ばかりではないということである。平面的にだだっ広くやっていく宅地の開発もまた大いなる環境破壊である。たとえば関西では長岡京や倭古京の遺跡がどんどん破壊され保存できない実態がある。都市の集積はむしろ環境の保護に合致するのではないだろうか。本来の里山と小川の「郊外」を取り戻そうではないか。

さらに日経3面。総務省が第三世代携帯で通信網の開放を義務付けるという。ユーザーにとっては競争の促進による料金の低下のほかインタフェイス周りについても歓迎できる。参入業者の数が増えると現在のように機種がキャリア別であることを維持するのは、それほど合理的なことではない。結果として通信式は標準化され、端末は端末としてキャリアを選ばず使用できることになろう(といってもIMT2000W-CDMAを使用するDoCoMoとCDMA-2000を使用するKDDIでは互換性はたぶんないだろうが)。メーカーもそれぞれ規模のメリットを享受できる。私としてはBluetooth搭載端末の増加を期待したい。

続いて15面スクープ。情報公開法はできたものの、それを支える公文書の管理があまりにもずさんであるという。たしかに記事に書かれる公文書館の予算規模や専門家数がフランスやアメリカの数百分の一というのはのお粗末である。こんなことをしていると史料の散逸なども起こりやすく、結果として将来の歴史研究を困難にするものである。電子技術もそれなりに活用して適切な保存を行うべきであろう。スペースの問題から公文書を破棄するなど問題外である。

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