Mozilla 0.9.5

10月11日、Mozilla 0.9.5-build 2001101117がリリースされた(Mozillaについては、mozilla.orgないしはもじら組を参照)。マイルストーン0.9代も半ばにさしかかり、ロードマップの通り順調にゆけば来年の春までにはMozilla 1.0が陽の目をみることになりそうである。その関連でいくつかのドキュメントも出てきており、期待感が高まっている。そんな中、Mozilla 0.9.5はマイルストーンとしてはかなりの変化のあったバージョンだと思うので、若干の感想。使いやすかったのでメインのブラウザをIEからこちらに変えてしまった。

mozilla0.9.5のスクリーンショット
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携帯迷惑メール大流行

この二カ月、携帯への迷惑メールが激増し、耐えがたい状況となってきた。もともと私は電話番号@docomo.ne.jpというアドレスは使ってい なかったのだが、DoCoMoが迷惑メール対策として電話番号を使用しないよう呼びかけて以来、メールの発信業者もランダムな数字の組み合わせからランダ ムな数字とアルファベットの組み合わせに移行したらしく、急にたくさん来るようになったのである。

なにに腹を立てるかというと、まずi-modeは従量制課金であるから、パケット料金が確実に取られているということ、第二にくだらないものを見せられる不快感である。

対策としてはアドレスを変えるというのが一義的にゆうこうであろうが、迷惑メールに負けた気がして不愉快なのでやりたくない。かといってほうっておいても、DoCoMoと迷惑メール業者に儲けさせるだけなので、これもやりたくない。

ではどうするか、と考えたのだが、学校のメールアドレスを携帯用にしておいて、i-mode端末に送るメールはそちらに送ってもらい、これをi- modeに学校のメールアドレス発という形で転送する。一方i-mode端末には学校のメールアドレス以外は受信拒否にしておく。迷惑メールは ***@docomo.ne.jpで発送するものが大半であろうから、これで防げる。しかしこの場合、返信で返信すると自分に届くだけだから、本文中から 発信元を選択せねばならない。これが面倒といえば、面倒か……。なやましい点である。というより馬鹿馬鹿しい。送る側はインターネットから送信するわけ で、ほとんどタダ。だとするとどうすれば、迷惑メールを根絶できるのだろうか。実に不愉快である。せめて受信拒否の設定で正規表現でも使えるようになれ ば、と思うのだが。

GoogleとUnicode

Googelか らロボットがきたのはよいのだが、どうもUnicodeで記載しているページもShift_JISでエンコードされてしまうようだ。そうするとせっかく書 いたものもGoogleで検索する限りまったくヒットしないということになってしまう。わざわざ公開したのだから、多くの人にみてもらいたいわけで、これ では困ったものである。原因はいくつかありそうなのだが、まず問題になるのは、Google側の問題なのか、こちらの問題なのか、ということである。

GoogleがUnicodeを理解できないということならば、どうしようもないわけで解決のしようがない。日本語文書中でアラビア語や中国語を 使っている部分をアルファベットによる発音表記(もとより不完全な表記とならざるをえないが)に改めたShift_JIS版も作るしかない。

一方、Googleのロボットがmeta情報によるエンコードの指定は理解できないが、httpレスポンスヘッダでのエンコードの指定は理解でき る、ということならばUnicodeで記載したページは、.uhtmlなりの適当な拡張子をつけて、.htaccessに指定して、.uhtmlのファイ ルの場合はhttpレスポンスヘッダを変えてやればよい。しかし面倒くさい。

いまのところ調査はしていないのでなんともいえないが、どうも前者のような気がしている。それにNamazuのことも考えるとUnicodeのものもShift_JIS版を作っておいたほうがよいような気もするわけである。

Internet Explorer 6 制式版

IE6について。IE6 Public Previewについてに続いてのレビューである。なお英語版についても以前にふれた。旅行にいっていて手に入れるのが遅くなってしまった。

パーソナルバー

以前から伝えられていた通りPublic Previewではパーソナルバーがあったが、制式版ではこれが削除されている。実にもったいないことである。それでもNetscape6に人が流れないのは、いよいよNetscapeが過去の遺物となったということだろうか。Mozillaにいたっては知っている人しか知らないといってよいのだろう。「インターネットする」という言葉がIEを起動すると同義語と化しつつあるいま、ブラウザの独占状態ははたしてよいことなのか、という問いかけは必要であろう。

文書型による動作モード

さて。レンダリング関連では重大なバグがある。CSS Level.1のフルサポートを謳っているため、文書型宣言によってレンダリングエンジンのふるまいをかえ、旧IE互換と標準互換が切り替わるという機能がある。Microsoftの公式発表によるとXHTMLの文書型宣言がなされている場合には標準互換モードとなって適切なレンダリングを行うはずなのであるが、ならないのである。この原因はどうも文頭のXML宣言にあるらしい。つまりXML宣言をしていると旧IE互換モードでレンダリングされるという症状があるのだ。たとえばXHTML1.1の文頭は一般に次のようになる。

<?xml version=”1.0″ encoding=”Shift_JIS”?>

<!DOCTYPE html PUBLIC “-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN” “http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd”>

<html xmlns=”http://www.w3.org/1999/xhtml” xml:lang=”ja-JP”>

どうもIEの挙動をたしかめてみたところ、1行目のXML宣言が邪魔をしているらしい。これがなければ標準互換モードとなる。つまり文書型宣言の前になにかがあると全てパーになってしまって、旧IE互換となるようだ。しかしエンコードがUTF-8以外のXML文書では、XML宣言が必須である。所詮IEの実装とはこの程度のものなのだろうか。

その他

やはりCSSの疑似属性にはほとんど対応していない。これは印刷用のスタイルシートを作る上で非常に重宝しそうなのでとっとと対応をすること希望する。さらにHTMLのABBR要素に対応していないのはいい加減どうにかならないものか。ACRONYMに対応しているのだから、振る舞いとしては同じことをすればよいのだと思うのだが。エクスプローラー(IE6ではIE6にツールバーとしてのフォルダビューを追加するという形で実現)での表示のバグは改善されている。これらの点を修正してIE6.1の早期のリリースが必要と思われる。

  • 9月7日の日記で言及したNetscape 6.1で256色の透過pngが透過されない問題であるが、Bugzillaを読んでいる限りでは、バグであることが判明。

AnHTTPD

あいも変わらずPCの話で恐縮である。昨日browse.dllありがたく使うというコンセプトのlispを発見したので、速攻インストール。M-F9Another HTML-lintによるHTMLの文法チェックまでしてくれるというありがたい代物。これでxyzzy上で製作から確認までwebまわりの全ての作業を行うことができる。

当然ながら、ローカルでAnother HTML-lintを動かすには、仮想httpdサーバが必要である。こんなことでApacheを入れるのもどうかと思うし面倒くさいので、ちまたで有名なAn httpdをインストール。意味もなくWindows2000のサービスとして常時動いてもらっている(笑)。しかし予想していたより使いでがありそうだ。まぁしかし使えたとしてもやはりWindows上で動くことに変わりはなく、Active Perlでもとから使えないようなsymlinkは使えないから、やはりチェック用と考えるのが妥当だろう。

などとうだうだ考えていて、いっそのことVAIOLinuxを入れてしまおうかと思ったが、そうするといろんな投資が無駄になるので、やめる。だいたい私はコンパイルだのなんだのには用はないはずなのだ。

ところで更新記録でも書いたが、locationを表示するようにした。意外とcgi部分の改修に手間取った。やっぱり使うなら自作のほうがいいのだろうか。

Internet Explorer 6

IE6正式版が一昨日かにリリースされた。まだ英語版だけだが、とりあえず使ってみたい。しかしIEはWindowsのコアなので、これを英語版にすると恐ろしいことがおこると思われるので、パス。これのβ版については8月11日で触れたのでこちらも参照。

見た目としてはIE5とほとんどかわっていのでその点の面白みはないが、やはりPublic Previewで確認されたCSSまわりのレンダリングのバグがどれだけ修正されているかが気になるところである。もっともIE5の数年間を経てCSS1がほぼ安定した技術になったということもいえるだろう。

日本語版のIE6正式版のリリースはいつになるのだろうか。正式版がリリースされれば、これまでほとんど使い道のなかったパーソナルバーも朝日新聞や天気予報、辞典など使いようのあるものが提供されるようになると思っている。

またここまで来ると普及のスピードも気になるところである。現在のこのサイトの閲覧統計では、IE5の使用率が85%前後であるが(驚くべきことに!)、IE4のユーザーが自前でバージョンアップした率はそれほど高くはないのではないかと思う。WindowsにはWindows Updateなどという実にらくちんなオンラインバージョンアップ方式があるが、どれだけの人が使っているかは疑問で、多くの普通のコンシューマーは買ったときのままの状態でWindowsを使うのではないかとおもう。としたら次の買い替えまではIE5のユーザが一部残存するということで、おおむねこれから3年くらいが移行期間ではないか、と思われるのである。特にWindows MeユーザがWindows XP Home Editionに乗り換える率はかなり低いのではないかと思われる。

その他

  • ずっとほうっておいたら、Lynx32 for win32(日本語W32用コンパイル版)がバージョンアップしていた。これまでテキストブラウザというものを体験したことがない方は使ってみるといいと思う。その軽快さに驚くはずだ。山形県立産業短期大学校庄内校千秋研究室からダウンロードできる。

書物とWEBのかかわり

書物が電子化されていくのは基本的によい傾向であると思う。特に論文などがHTMLでWEB上に公開されれば、cite属性の駆使によって引用元の論文を参照しながら閲読することができるようになって非常に便利であろう。次の2点を要望したい。

第一に雑誌論文のWEBへの掲載(基本的に著者自身のサイトで行うのが望ましい)。引用元をちょっと見てみようと思っても、身の回りにないことはやたらと多い。場合によっては、どこが所蔵しているかを調べ、アメリカの議会図書館(Library Congress)にまで、コピーを依頼することになる。LCならばかなりのスピードでコピーが届くが、大英図書館などは遅いし、コピーの質もよろしくない。だいたいすぐにその場で参照できるわけではないのだ。そもそも、これも学生なればできることであって、一般の人にはとても無理。だいたい論文自体が掲載された学術誌自体がその辺の図書館には置いていないのだから。もともと学術雑誌に関しては発行自体はほとんど儲けになっていないはずであるから、掲載される論文などの成果は一般に広く公開、印刷物を希望する人は学会費を払う、というのが妥当ではないだろうか。もともと論文は論理性を広く兼ね備えているので、HTML化は容易であると思う。

第二に一般向けの概説書などでは、その本にかかわる正誤表の掲載および新たな動きの情報を提供することが求められる。これは根本的に著者の責任を貫徹することである。従来の出版物のみの体制では、出版後は読者が間接的にさまざまな書物などを参照することによってしか、新たな情報を得ることができなかったし、改訂版を出版するということもよほど改訂すべき情報がたまらないと難しかった。これを逐次的に行うことができ、書物とWEBが連関をもって有益な情報を提供することができる。検索性という点から見れば、一般の書物も電子化され公開されることが望ましい。常時必要な書物や通読したい書物の場合は「本」という媒体での提供を読者はおそらく求めるだろう。書店もそれほど恐々とする必要もないと思うが、難しければまずある書物の索引・正誤表・トピックの最新情報の提供から手をつけてほしい。もちろんメンテナンスの点から考えても著者自身のサイトで行われるのが望ましいと思う。

神崎正英氏はすでにご自身のサイトThe Web Kanzakiで著書『ユニバーサルHTML/XHTML』について上記のような試みを行っている。最新の規格を扱うこのような書物と人文系の書物では性格が違うという議論もありえるし、また訂正の手段が用意されることではじめのテクストがいい加減になるという議論もありえる。しかし、はじめから100%完成されたテクストというのはないわけで、むしろ意図しない過誤を訂正できない状況のほうが、良心的な著者にとっては痛恨を感じることとなるだろう。

HTMLを書くということはもとのテキストさえしっかりしていれば、ほとんど面倒なことはない。デザインは気が向いたときにスタイルシートで補完すればよいのだから、なんらかの文書を出版・公開する人はWEBサイトを開設してほしいと思う。

  • イラン映画が隆盛のようで結構なことである。ずいぶん前に日経に記事があって言及したが、また今日記事になっていた。アッバース・キアロスターミーの三部作や「運動靴と赤い金魚」などはすでに日本の映画ファンにもおなじみであろう。日経に指摘されるとおりイスラーム革命体制化での検閲が一種の芸術を生み出したということも否定できないが、それを革命体制の皮肉とだけ見ることはいささか了見が狭すぎる。映画はすべて政策の反映であるとはとてもいえない。あのような映画を作れる、というイランという国やイラン人自身の鑑賞眼と美意識の成熟をこそ見るべきであろう。たとえ革命体制がなくても、イラン自身の成長はあったわけであり、以前も書いたが、パフラヴィー朝の時代とイスラーム共和国を王朝断代史的にだけ考えるのはいかがなものかと思う。同じ弊害は、20年前に近代中国研究で指摘されたことでもある。清/民国/人民共和国の連続面から目をはなしていた隙に改革開放が始まってしまって、怪奇現象のように見えてしまったのである。イラン政治史でこの轍を踏まないとは言い切れない。
  • NHKスペシャルのドラマ「星影のワルツ」を見る。久世光彦のしっとりとした演出にかなりはまる。柄本明も好演。大団円も後日談もなくつらく消え入るように迎える終幕・終戦の詔勅の場面が秀逸である。今回の終戦の日を迎える一連のシリーズ「戦争を知らない君たちへ」という副題から考えて、強烈な教訓を含めることなく、日常の中の戦争の姿を見つめさせる趣旨があったのではないかと思う。考えてみると「戦争を知らない君たち」というのはきわめて複雑で、誰を指しているのか疑問がわく。一見いまの若者を指しているように思えるが、単純に考えて平成13年のいま55歳以下の全てのひとは戦争を知らないわけである。たしかに政治的記憶としての戦争は強烈に根付いている。しかし社会史的戦争の記憶はどこまで共有されているのだろうか。その指摘を静かに狙っているようにも思えるのである。
  • スタイルシート全体が実に非効率で膨大なものとなっているのを確認したため手直しをはじめてみる。

Internet Explorer 6 Public Preview

Microsoft Internet Explorer 6 Public Previewを入れてみた。今回はその雑感。

外観はほとんど変わっていないので、普通に使っている分には5.5や5.01とほとんど変わっていない。パーソナルバーなるものが付いてくるが、これはNetscape6のSidebarみたいなもの。今回はβ版であるから、ニュースもアメリカのものしか使えなかった(NetscapeのようにAsahi.comなどが表示できると便利なのだが)。おそらく制式版が出てから日本の各サイトで配布されるのだろう。

使っているとよくサイトを読み込んでから、真っ白でなにも表示されないにもかかわらず「ページを表示しました」となることがある。更新(C-r)でまともに表示されるのだが頻繁に起こるのには閉口した。おそらくJava Scriptまわりのバグであると思うが、アメリカのサイトからパッチを当てたら解決した。日本でも対応すべき。

CSSのサポート状況は劇的に改善された。IE5.5での最大の解釈の誤りはブロック表示要素のマージンに%値を指定すると画面幅一杯に対する%値を返してきていたことであるが、このバージョンではきちんと直近の親要素に対する%値を返してくるので、むちゃくちゃな指定をせずに済む。なおCSS2の疑似属性:afterや:beforeがサポートされていないのは実に残念。

IEで検索をするときのダイアログが右から左の文字表示になっている状態を表示
IEで検索をするときのダイアログが右から左の文字表示になっている状態を表示

なお、IEはWindowsのコアの部分でもあるので、これを入れるとβ版らしいバグが各地に発生するので、インストールはしないほうがいいかもしれない。たとえばエクスプローラではフォルダに子フォルダがあるなしにかかわらず全て子フォルダありの[+]で表示されてしまう。また「検索」などを行うときのダイアログウィンドウの文字の表示方向がおかしくなっている。アレフがどうのと聞いてきている点から考えてこれはアラビア語も入れてしまっているからであろう。

日経によると総務省は第三世代携帯電話において、キャリアを変更しても、電話番号を変更する必要がなくなるように検討を開始したという。『日本経済新聞』8月11日1面
これはこの前書たように端末機種がキャリア特定にしないですむということの流れを受けたものと思われる。これまたユーザとしてはより安易にキャリア・端末を選択、変更することができるので基本的に歓迎できる。ハイブリッドに無線方式に対応するのは難しいだろうが、電話番号ならおそらく全キャリア共通は実現できるのではないだろうか。よくわからないが。

携帯ネタをさらにもう一件。今日はじめて知ったが、NTT DoCoMoのFOMAではWAP2.0規格に移行する模様。ということはその記述言語であるWML2.0がサポートされるということ。これはXHTML Basicに若干の拡張を加えたもので、文書型宣言と名前空間は下記のようになる。

The name of the default namespace on the root element MUST be the XHTML namespace name, http://www.w3.org/1999/xhtml. Also on the root element, the WML namespace MUST be declared with the name, http://www.wapforum.org/2001/wml, and the prefix, “wml”.

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:wml="http://www.wapforum.org/2001/wml">

There MUST be a DOCTYPE declaration with a public identifier in the document prior to the root element. The public identifier included in the DOCTYPE declaration must reference the DTD found in Appendix Ausing its Formal Public Identifier. The system identifier may be modified appropriately.

<!DOCTYPE html PUBLIC"-//WAPFORUM//DTD WML 2.0//EN"
"http://www.wapforum.org/wml20.dtd">

WAP Forum

現状ではi-mode HTMLには文書型がないのでどうしようもないが、その辺のサイトは概ねHTML3.2に準拠したようなHTMLを書いているので、WMLへの移行は難しくないだろう。標準化が進むのはユーザにとっては非常によいことで、閲覧できるサイトが、キャリアによって分かれるという現状を打破できる。問題はこれに対応したブラウザが標準的になるのはいつころか、ということだ。

PCとその周りの使用感

実は最近一大設備投資をした。新PCはSONY PCG-SR9M/K。またネットワークもただの電話からフレッツADSL(=24時間テレホ)に替えた。これにともないブロードバンドルータ(IEEE802.11b準拠無線LANアクセスポイント、プリントサーバ、シリアル端子、ハブ機能付)のAccton ThechnorogyADS7004BRASCII Digital Buyer Review)とPlanexの無線カードGW-NS110PXを購入した。今回はその使用感。

まずVAIO。

これは私のノートマシンでは3台目にあたる。初代はNEC PC-9821Nw133。続いてVAIO PCG-N505である。初代から二代目への代替わりでの最大の目玉は「軽さ、小ささ、薄さ」であった。続けてVAIO SRなのはそのメリットを認めたからである。今回の目玉は、さらに持続性を持たせることである。n505は確かに持ち歩きは出来るのだが、なにぶんバッテリの駆動時間が短すぎた。1時間程度ですぐバッテリが切れる。これでは電源ケーブルを持ち歩かずに済ませることは出来なかった。SR9Mでは4時間強使えるのでこの点は大変満足している。

SONY のPCは壊れやすいと有名であるが(SONYタイマーと俗称され保証期間が切れた瞬間に壊れるとか、ドット抜けが激しいとか)、先代のN505はあのリソース食いまくり、レジストリぐちゃぐちゃになりまくりのWindows 98を載せていたにもかかわらず、二月使っても再インストールをほとんどしないで安定して使えた(最長半年のときもあった)しドット抜けもなかった。以上から私のSONY的相性は悪くないらしい。

で、そのSRであるが、Windows2000の安定性、多言語環境はわるくない。また動作もきびきびしている。少々厚くなったがむしろ壊れにくくなったようで歓迎。よくない点といえば、Bluetoothは対応機器がほとんどないので、まだまだ使えない。FOMAでの対応端末の増加に期待。ジョグダイヤルもハードウェアよりソフトウェア的な改善が必要。Ethernetポートがないのは大問題。メモリースティックはメディアが高すぎる。付属ソフトは重い(特にOpenMGは規格的に普及するか疑問だし使いにくすぎる)。などなどのよろしくない点はほとんどカタログで強調されているメリットばかり。しかしはずしたように見えて、普通に使う分には非常にパフォーマンスが良好だし決してキータッチも悪くない。むしろIBMマシンのように使うといい感じである。見た目も悪くないし。

ただし非常に疑問なのがI/Oインタフェイスの位置である。というのはUSBが左側、ヘッドホン・マイクが右側という仕様のことで、承服しかねる。ジョグダイヤルとメモリースティックの配置を優先させた結果であるのは見え見えである。これらの位置というものは非常に重要で考えていないと、足をすくわれかねない。まずUSBが左にあるとUSBマウスを使う場合、多くのマウスのケーブル長60cm前後ではぎりぎり届くといった長さで、場合によっては本体の下をマウスケーブルが通るといったかなり窮屈な状態になり使いにくい。この機械でUSBマウスを使う場合、ケーブル長は70cm程度は必要である。またヘッドホンは通常L側からケーブルが延びているので、その端子が本体右側にあるとこれまた遠まわししなければならない。そうするとヘッドホンケーブルとマウスケーブルがクロスするわけで非常にごちゃごちゃしてしまう。わざわざマウスをつながなければよいという話でもあるかもしれないが、VAIOの購買層を考えると考慮してもよかった点ではないだろうか。USBは右に、ヘッドホン端子は左にあるべきである。自分たちでよいヘッドホンを作っているのだからわかりそうなものである。他にもスピーカー音量をソフトウェア的にしか制御できないのも問題だろう。熱を発するのはTualatin前であるということで許す(さりげにそれほど関係ないが)。

というわけで結論。全般的に悪くはないが、もうすこし拡張したときの使い勝手を考えてほしかった

続いてネットワーク関連。

NTTのフレッツADSLを利用しているので、NTTからADSLモデムをレンタルした。おそらくNEC製のNIIである。速度は特に問題もないのだが、これまた人間的な部分で問題がある。つまり「うるさい」。LED 表示部だと思うが電源が入っている限り高周波の「キーン」という音が響き渡る。今は常時接続ではないので不使用時はもと電源から抜いてしまっているがなんとかしてほしい点である。とても眠れたものではない。いっそのこと何かでモデム自体を包んでしまっても問題はないが、なにか受動的な対策のようで腹立たしい。

続いてADS7004BR。オールインワンで3万弱の値段は悪くない。これのおかげで無線LAN経由でプリンタを接続するようになったので、プリンタを気軽に使えるようになった。やはりノートと無線は相性がいい。ただしマニュアルにかなりの不備があるため、すこし勉強していないと使えないかも。マニュアルの通りにしてWindowsからDHCPを拾わないようにしておくと永遠にDNSエラーが出る。WAN側をPPPoEからPPPに切り替えるときなどはすべての機器の再起動が必要。マニュアルにはルータの再起動のみでよいように書いてあるが、ダメ。一度電源を切る必要がある。電源スイッチがないのでコンセントを引っこ抜く必要がある。その点ではオールインワンのメリットを生かし切れていない。なおプリントサーバの機能はどうせそうだろうとは思っていたが双方向通信(双方向印刷とは関係ない。念のため)はサポートしていない。最近のインクジェットプリンタなどが備えるインク残量検知などは使えないということだ。もともとネットワークプリンタには必要ない機能かもしれないが。無線LAN機能はMACアドレスによる機器排他制御が行えないが、WEPで代用可能。

うちはNTTの交換局から1kmも離れていないので回線速度は充分に満足できている。現況で平均1.2Mbpsが出ている。予想より速い。

それからこまめにマウスも買い換えた(光学)。東京needsのCIM-12UBであるが、光学認識が前に使っていたELECOMのM-GUWSRVAより(マウスケーブル長が足りないので馬鹿馬鹿しいことにUSBハブをはさんで使っていた)いい加減で模様のない平面上におきっぱなしにしても時々動くことがある。また最初に買ったものはがたつきがあって、左右のクリックのたびに揺れた。

といったところ。結局カタログに載る機能やスペックも重要であるが、普段もっともよく使うキーボード回りやマウスなどヒューマンインタフェイスは非常に重要だということである。

たまたま話していて60歳になったら何をしたいか、というような話題が出た。かなり遠い将来のつもりでしゃべっていたが、よく考えたら35年強しかないのだ。実はすぐだぞ……

大学イントラネット

慶應の意地を見せた、というか、面子を立てたような計画。いまのところweb上のニュースリリースはでていない(NTT東日本慶應義塾大学

NTT 東日本(東京都新宿区)はこのほど、自宅などから企業や大学のイントラネットに接続できる「フレッツオフィス」の契約を慶応大学から獲得した。同大学は秋 口から本格運用を開始。NTTのフレッツADSL(非対称デジタル加入者線)サービスなどに加入している学生や職員は無料でメールのやり取りができるよう になる。NTT東日本は他のISP(ネット接続事業者)の低価格ADSLサービスへの対抗策としてフレッツオフィスの利用拡大を目指す。

慶 応大学は現在サービスの試験運用を実施しており、夏休み明けをめどに本格運用に切り替える。NTTに支払う月間利用料金は約100万円。NTTが提供する サービスは、学生や職員の自宅にあるパソコン端末と同大学のイントラネットをNTTの地域IP(インターネットプロトコル)網を通して接続し、自宅の端末 を広域イントラネットの一部として運用する仕組み。『日本工業新聞』

簡単にいえばいままでPPP接続なら大学をプロバイダ代わりに(<研究上の目的なら)使えたわけだが、今度からPPPoE接続でもプロバイダ代わりに使える、ということである。私は内部アクセスに限定されている図書館のデータベースサービスなどをよく利用するため、そのたびにダイヤルアップに切り替えねばならなかったのだが、これで非常に便利になる。なお都内限定らしい。

もっともまだまだ三田の教員学生ともにネットワークを必要/利用している人は少数派であろう。常時接続したところで相手にする人がいなければどうしようもないわけで、ゼミなどでPCをもちよってレジュメなりプレゼンなりをばら撒くとうことができれば便利なのだが。ログをとって公開することができれば相当に有意だと思う。

さて。三田キャンパスではこれまたNTT東と組んで光+無線LANを張る実験をしていた。この実験はIEEE802.11b以上の高機能の無線LANの実験だが、ただの無線LANならSFCではすでに実現。とりあえずそこからはじめてほしい。現状の三田キャンパスではオープンなスペースでLANに接続できる場所はない(=端子がない)。西校舎の一部教室で端子(本塾では情報コンセントと呼ぶ)があるところもあるのだが、教室であるため授業時間内は使えないのでほとんど役に立たない。これが無線LANの構築で改善される。また誰でも使えるPCが非常に混雑しているが、増やそうにもスペースが限られていて増やせない。この点もPCは個人所有のものを持ち込み+ネットワーク接続は大学が提供、という形で解決されるはずである。これまたとっとと実現してほしいものである。なお図書館内でパソコンを使える場所にLAN端子がないというのは、少々問題ありと思われる。本(禁帯出のレファレンス)とインターネットを同時に使えるとかなり重宝するのだが。

参考サイト:「慶應義塾大学におけるIT基盤環境の24時間運用」「オープンスペース用情報コンセント・無線LANの使用法について」

  • 昨日のj-phoneの話であるが、よく考えてみたらj-skyはHTML 3.2のサブセットであるCompact HTMLを拡張したJ-sky用のHTMLを読む(もっとも直接読んでレンダリングするわけではなくj-skyセンターを通してMMLに変換するわけだが)わけだから、今のままでも充分に相互に閲覧可能(ただしサウンドデータはmldとMMFで違うし、画像データもi-modeはGIFをサポートしj-skyはPNGとJPEGをサポートという違いがある)なのだった。ということは公式メニューでの互換性保障ぐらいに思っておけばよいということのような気もする。結局問題はわざわざCompact HTMLをなぜ拡張しなければいけなかったか、ということであろう。絵文字というのはそれほど便利だろうか。
  • 明日から大学の三田図書館が一斉休暇に入るためその間の書物をあさりに行く。

Windows 2000を待つ

現在わたしはWindows98とNT、Linuxを使う。主にWin98である。しかし98は無意味なIE5との結合でやや使いにくいし、ネット ワークセキュリティに関しては最悪に近い。Enter Passwordもキャンセルすれば通れるというお粗末さである。一方のNTもUSBにプラグ&プレイで対応していないことや、これまたネットワーク設定 が奇妙にオートマチックでマニュアルな設定がしにくい。

マシンはサブノートのVAIO PCG-N505を使っているが、Windows 98ではサスペンドからの復帰などで時間がかかりすぎるし、98での構造的な問題としてシステムリソースの無駄食いがある。以上は実はOSとしてそれほど 複雑な問題ではないのだが、いまのところ解決されていない。一瞬で取り出して使えるモバイルを求めるとどうしてもCE機以下ということになるのだが、 Win2000でモバイルとしてもネット端末としても有効のPCへと生まれ変わってくれることを期待したい。