中共15期七中全会

報道によると、昨日から第15期中国共産党第7回中央委員会全体会議がはじまった模様。以降、今月前半をかけて、これから五年間の中国の道筋、すなわち第16期中国共産党を決定する党大会を中心とした一連のイヴェントが北京で展開する。

ただし、党大会はやはりイヴェントであって、その筋書きは夏の北戴河と大会直前の中央委員会全体会議で決定される。今回の七中全会は、ナンバー3である中共中央政治局常委・国務院総理の朱鎔基が、APECのため三日間の日程のうち、最終日を除いて欠席するという異例の環境で行われることとなった。これは、普通なら何の波乱もないであろうことを示しているのだが、一方で夏の北戴河で、ほとんど何も決まっていないのではないか、という観測も浮き沈みしているだけに、かなり政治がらみの要因があるようにも思える。

今次の党大会の最大の焦点は、なんと言っても指導部の交替である。今回、江沢民、李鵬、朱鎔基のトップ3がそろって定年のために、すくなくとも政治局常委からは退くことになっている。現在、江沢民は中国におけるもっとも重要な三つのポスト、すなわち国家主席、党総書記、国家・党中央軍事委主席を占めている。憲法の規定によって、国家主席が胡錦濤に変わることは、ほぼ間違いないとされる。規約上は、党総書記からも退くことになっているが、夏以降江沢民の総書記留任という説も流れている。最後の軍事委主席は江沢民が手放すことはおそらくないだろうと思われる。軍事を握ることは、中国統治の枢要である。故鄧小平は中央委のポストを手放しても軍事委主席だけは握っていた。

実は江沢民がどのような位置をしめようと、IMF加盟を実現したいま、大きな政策変動があるとは思えない。その意味では上のような話は、一種ゴシップのようなものである。注目されるのは、中央委に補充されるのがどのような人びとであるか、である。彼らが、地方党幹部か、中央のポストを進んできたか、あるいは国務院筋なのか。むしろ次の次の指導部のありようが、はじめて明らかにされる舞台と考えるほうが、考えとしてはおもしろい。

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