『蜃気楼』求めて三千里

昨日買った分の『蜃気楼』は秋葉原のマック+巣鴨のジョナサンで読み尽くしてしまった。

その後は早く先が読みたい、まるで自分が居ないかのような、猛烈な「乾き」であったわけである。なんとか狂ったように回転する頭をなだめすかして寝たのが四時。今日起きたのが十一時であった。明日から降ると言っていた雨が降っている。煙草をふかしながら新聞を取りに出ると大変寒い。春先の雨とはこれほどに冷たいものだっただろうか。気力が失せかける。一昨日購入した新しいシリアルと友人の土産の石垣苺の甘酸っぱさでなんとか気合いを入れて外に出た。とにかく続きを読まないことには苦しすぎるのである。

ここまでで読んでいたのが第十五巻まで。とりあえず最初に出会った三田図書館に向かうことにした。買うリスクを逓減するためである。狂熱に染まって驀読している場合、のちのち読む可能性は低いのである。まして乾いているわけだから、何の問題もなしにどんどん買ってしまう時期。なんとか避けようとしているのである。

傘を差していても煙草をもつ手は濡れた。大変に冷たい。何をやっているかと思いつつ駅。沈丁花に目もゆかぬ。運賃を払って出てきた三田図書館に目指す本はなし。借りている人を恨む。憂さ晴らしに山川世界史リブレット『ナチズムの時代』、人物叢書『上杉憲実』、歴史文化ライブラリ『海賊達の中世』を借りる。しかしながら狂熱さめず。神保町を目指す。一巡すればかならずあるはず。目星はつけておいた。書泉グランデ、ブックマートのいずれかに必ずある、と思っていた。コバルトなどでは三省堂はたよりにならない。ブックマートで発見。十六から二十巻までを購入。三千円以上の買い物を一気に出来ない。この時点で十八時。自宅近辺に戻って、喫茶店で二巻を読みつぶし、家に帰って二十巻まで読了。なんとも速い。ほとんど感情移入しているので時間が経つのが速すぎるくらい。読み終わった時点で惚けて、寝た。明日の朝、禁断症状に落ちるのは明らか。

明後日から塾生新聞会の合宿であるというのに、この状態はまずいかも知れない。

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