藤田達生編『伊勢国司北畠氏の研究』

戦国三国司家のひとつ北畠氏について.

やや考古学方面の論文が多いが,北畠氏の市庭である多気のあり方については教えられるところが多い.近年進展の目覚しい中世後期の都市研究の成果がようやく伊勢南部にまで及んでいる.政治的中心地に形成される城下町が必ずしも流通中心化するわけではなく,一円化の様相もさまざまであることがわかる.

本書は史料の引用も多く,特に「木造記」は全文が載ることから,きちんと読むに耐える書物である一方,一般向きではないかもしれない.

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