台風のくれたお休み

昨日来,台風が東京を直撃するだろうというお話は聞いていたが,土曜日は勤務なので学校に行かなくてはならない.なにがなんでも,と思って悲壮な決意を固めて昨日は眠りについたのだった.しかし目が覚めたのがなんと10時半.私の敵は台風ではなく私だと言うことがよく分かった.あわてて連絡を入れてみると3限以降休講決定で地下も閉めるかも知れないから来なくて良いという.激しい罪悪感にさいなまれつつ,ゆっくりさせてもらうことにした.窓の外を見ても,まだそれほどの風も吹いていないし,雨も激しくない.とりあえず今後の天候を調べる.ウェザーニュースのピンポイント天気を1時間表示にしてみると14時から17時にかけて毎時30mm前後の激しい雨が降るようだが,その後,天候は急速に回復し20時には雨が上がる模様だ.

今日は千石図書館で本の出し入れをしなければならない.それから地下の本を連休に備えて研究室にあげておきたかった.もし出るなら雨の激しくないうちとて13時クラナッハ.地下に電話を入れてみるとすでに閉鎖とのこと.三田の本はあきらめることにして,ゆっくり読書.そうこうするうちにタバコが切れた.このとき14時半.だいぶ雨も風も強くなっている.千石図書館も断念.タバコも19時までがまんすればよいことだが,近いのでピーコックまでいって補給することにした.ピーコックにはまだずいぶんと人がいる.台風はこわいんだから早く帰れ,と思うが私も人のことは言えない.どうせ雨の中来たのだからと文教堂に寄ってみたらグイン・サーガの新刊発見.苦労は報われる.会計を済ませて速やかに撤収し家に立て籠もる.15時半.

修論の続きを書く.徐々に風も雨も強くなっているのがよくわかる.17時をすぎると窓にものがあたって激しい音を出した.飛んできたものだろう.廊下の自転車が倒れる音もした.危険なのでシャッターを閉めて研究に没入し,頭はテヘランに飛んで時間を過ごす.

19時過ぎ,気づくとだいぶ音が弱まっている.テレビを見ると交通機関が各所で麻痺.近年では珍しく,京浜東北,中央快速,総武緩行ほか南北,丸の内,小田急などがストップしているという.長距離列車や航空機もストップ.いつも思うが台風の時にこういうものが止まったからといって駅員にくってかかる人の姿は醜い.そもそも台風が来るという時間に空港に行くほうがおかしい.それから傘.強風時に傘が役に立たないことは明白である.骨がおれて壊れるだけならまだしも,風に持って行かれて窓や人に当たらないとも限らない.外出しないのが第一であるが,こういうとき仕方なく外に出なければならない人はレインコートや雨合羽の全身装備をするべきである.持っていない人はとっとと買いに行くべき.ゴアテックス素材のものがよい.しかし思えば今年は台風の当たり年だったが,ことごとく西日本に来ていたのだった.東京直撃はこのひとつだけ.おそらくは,今年最後の大嵐であろう.

今日は休日出勤のMさんと丸の内オアゾにいくつもりだった.大手町の惨状をMさんから聞く.雨がやんだとはいえ,店が閉まっていないとは限らないので延期.21時巣鴨へ.あちらこちらにものが散らばっている.金木犀の花はみな散ってしまって地面にオレンジの水たまりをつくっていた.ほとんど人は歩いていない.車も走っていない.台風のおかげでだいぶ空気もよい.このような東京は実に気持ちがよいものである.漫画喫茶で『天上の虹』再読.25時帰宅.続けてグイン.4時過ぎ就寝.休日も生活リズムを守るのが起床術の柱の一つ.いけないことである.

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