昨年のいまごろ話題になっていた書物だが、ようやく読んだ。「草の根のファシズム」の時代がどのように「戦後」につながるかを占領期に絞って、社会史を中心に描いた力作。表題の「抱きしめて」がかなり象徴的である。
特に敗戦後の占領前期の全ての始まりといえるような、空虚でありながら開放感に満ち、それでいて生活上は最悪な時期の詳細な記述が重要である。敗北というフォーマットを日本も、そして占領軍・アメリカも「抱きしめ」そして二十世紀後半の日本の歴史が始まったのである。
昨年のいまごろ話題になっていた書物だが、ようやく読んだ。「草の根のファシズム」の時代がどのように「戦後」につながるかを占領期に絞って、社会史を中心に描いた力作。表題の「抱きしめて」がかなり象徴的である。
特に敗戦後の占領前期の全ての始まりといえるような、空虚でありながら開放感に満ち、それでいて生活上は最悪な時期の詳細な記述が重要である。敗北というフォーマットを日本も、そして占領軍・アメリカも「抱きしめ」そして二十世紀後半の日本の歴史が始まったのである。