アルバカーキー・トリビューン編(広瀬隆訳)『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』

推薦版。マンハッタン計画とはご案内の通り、アメリカで第二次世界大戦中から継続されて行われた、核の軍事利用のためのプロジェクトである。そしてその中で忌まわしいことに人体実験が行われていたのである。

本書はアルバカーキー・トリビューンという地方紙が約10年にわたってエネルギー省をはじめとする政府と戦う傍ら、綿密な調査によって明らかになった事実の報告書である。無用に挑発的でない分、事実の深刻さが浮き彫りになる。

ジャーナリズムのあり方とはかくあるべし、という見本になりうる一書であった。私自身は出版時から興味があったのだが、先送りにしていた。もったいないことをしたと思う。内容に興味がなくとも一読を勧める。

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