田村明『まちづくりの実践』

地域とはなにか? 人がそこに住み、そこで暮らし、さらにだれかが訪れて「感じうる」地域とはなにか?

「まちづくり」とは住の観点から身近なひととひととの関わり、ひととモノとの関わり、ひとと自然との関わりをデザインすることである。これからのネットワーク化する社会のツールとしてインターネットが注目されている。であればこそ、実物としての上記の関わりは密接な、より意味のある貴重なものとなるであろう。その観点から、まちは作られて行かねばならない。小さな出会い、小さな感動を愛することはやがて「まちづくり」へと繋がっていく。本来の「都市」とはネットワークの結節点であった。それが単なる集住の地と化してしまった。いま、また人は地域を活性化させねばならない。

これは経済学的にも有利な視覚だ。たとえば教育の面では、教員に頼りきりにせず地域の専門家(たとえばITに強い人など)を協働させうるし、そもそも「出会い」がモノを生み出す出発点であることを再確認できるだろう。

田村はこれまでも『都市ヨコハマをつくる』や『江戸東京まちづくり物語』などの名著を生みだしてきた。本書は上記の重要な視点を静かに説く。ライフスタイルの指針として手元におきたい好著。

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