フィースト, レイモンド・E.,(岩原明子訳)『リフトウォー・サーガ』(4巻 in 7冊)

ファンタジーは私の好きな部類だが、その中でもかなり上位に入るシリーズ。ファンタジーといっても、あまりにおどろおどろしいヒロイックファンタジーは嫌いだから、どうしても指輪物語の系統といった感じになる。本書は、その条件をよく満たしている。

結構政治がらみっぽいプロットもあり、世界設定もわりとよくできている。一話完結だが、第3巻での大どんでん返しは、かなりのもの。先頃4, 5巻も出たので、続刊も早く読みたいところ。

実は、この本以前に読んでいたことがある。ところが、3巻後半だけ絶版になり、ずっと悔しい思いをしていたのだが、ようやく97年夏に再刷されたのだ。それでもう内容を忘れてしまったので、今回読み返したというわけ。2回目とはいえ、かなりの読み応えであった。

以下、4巻刊行後追記。完結したシリーズの続きが出るのは、嬉しいことである。時代はすでに第1巻から30年も経過している。世界の創造という大事業を著者は成し遂げている。奇妙にむつかしい魔法の奥深くといった要素は、今回けずられ、ファンタジー冒険物語風であることも好感である。いけすかない王子さまたちが苦労するのを見るだけでも楽しい。世界はさらに膨らむだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください