東長靖『イスラームのとらえ方』

特選版。イスラーム入門の上で最もよくまとまった書である。この薄さに、これだけの内容を込めた著者に敬服である。しかし同時にいつまでイスラーム関連の学者は「啓蒙」をせねばならぬのだろうか、とも思う。遠く井筒俊彦先生にはじまり、今も続くこの流れの重要なファクターが「啓蒙」なのだ。これは学者の歓びなのか、知られぬ悲しみなのか。私には、分かりかねる。できれば高校のうちによんでおきたい書物である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください