酒田・新庄への旅

0445起床.ごそごそして家を出る.まだ暗い.千石発0525.土曜日朝,この時間の三田線は立ち席も混じるほどの混雑.なんとなく覚えていたので驚きはない.大手町で降りて御幸通りを東京駅へ向かう.払暁の丸の内は人っ子一人いないがらんとした空間で,東京駅の偉容もまだ穏やかに見える.早朝の東京駅丸の内南口から入り新幹線改札前へ.0608発とき301号で新潟に向かうことにする.新潟から先,庄内方面へは「いなほ1号」を用いる.新潟での乗り換え時間は10分強.「いなほ1号」は「とき」到着より前に入線する.三連休最初の土曜朝下り,JRの自由席削減という条件を考え合わせるといやな予感を抱かざるをえない.そこで「土日切符」で総計4回しか使えない指定券発行の挙にでる.東京駅の窓口で即発行.スタンプが押される.

550ころ,ホームにあがる.お茶を買い求めて入線を待つ.自由席喫煙車の列には10人ほど.自由席での窓際ゲットは余裕の情勢である.ビジネスマ ン風や山行風,私のような旅行者,お年寄りというよくある構成.0558入線.ときの入場私にとってはかれこれ十数年ぶり,懐かしの200系であった(といっても MAXでない「とき」は200系に決まっている).さっそく乗り込み中程の進行方向左側窓際に着席.これは日は東から昇るということ,2-3構成では2の 列を選びたいため.徐々に席が埋まってゆく.0608,東京を定刻に発車.乗車率30%といったところか.滑らかな滑り出し.黄ばんだ蛍光灯と完全に染みついたタバコの臭いが車齢を示す.変貌著しい秋葉原を横目に見るとすぐに地下に潜って上野.

上野定刻.上野にしてはやや多い乗車で70%程度まで席が埋まる.登山客が多い.前列に携帯使用の不届者.東京からずっと甲高い声でしゃべっており,上野乗車のおじさんがキれる.DQNはヘラヘラとデッキへ.上野発車後,おなじみのチャイムが鳴って各駅の到着時刻など詳しいアナウンスが流れる.昨日長野新幹線で盗難があったそうで特にその注意を呼びかけている.アナウンスが流れる中,再び地上に出て高架線に上る.すでに明け切った空は秋の風情.予想以上の好天である.高架上から調和のとれない凸凹とした町並みを眺める.この街は朝が特に美しくない.荒川を渡り戸田の競艇場を左手に見て,武蔵野連絡線を認めると武蔵浦和で外環道を越え,大宮到着前のアナウンス.さいたま新都心のビルをかすめて右にカーブしてすぐに大宮.ここでまた大量の乗車があってほぼ満席になる.隣席は50がらみのおじさん.登山客らしい.ヘルメットを持っていたので一ノ倉沢かと速断するが,荷物がどうも泊まりがけの山行のよう.地図を眺めだしたのを横からのぞくと志賀高原の「山高地図」だったので,どうやら魚野川から志賀に抜けるものではないかと憶測.3連休泊まりがけで岩場もある縦走ならば天候は特に重要だ.他人事ながら以降3日間の好天を祈る.それにしてもずいぶんと山に登っていない.

列車は大宮で速度制限が解除され力走に移る.200系のやや重いモータ音が東北・上越新幹線開業当時を思い起こさせる.心地よい加速のなか,左手遠く秩父の前衛峰を望む.ずいぶんとかすんでいてその山容ははっきりとしない.前線の南下が予想される.やがて,少しずつ田も姿を見せ始める.まだまだ緑が多いがすこしずつ黄色くなってきているようだ.ところどころに曼珠沙華の紅が畦を彩る.もちろん北武蔵は稲作地帯ではないし東京近郊でもあるから,田と畑と新興住宅地の固まりがいりまじったややいびつな風景ではある.これがしばらく続き,山が近くなったと感じて高崎.数人の下車のみ.

高崎を出発するとすぐにトンネルに入る.抜けて月夜野の特徴的な河岸段丘を確認するが,観察する間もなくトンネル.このあとしばらくトンネルが続く.退屈してしまうと早起きのせいか眠気が襲ってきてうとうとしてしまう.トンネル内は気圧が上がるので耳に不快感があるが,これが薄まるとトンネルの出口が近いことが分かる.そこで時折目が覚める.トンネルとトンネルの間に無理矢理設置したような上毛高原を通過してトンネルに入るとまたウトウト.制動がかかってショックに目を覚ます.長い大清水トンネルの末端である.減速してアナウンスが流れると,魚沼川の谷間.湯沢は近い.春先に上越新幹線に乗ると,トンネルを抜けると雪国という往事が再現されるのだが,この時季,さすがに雪はない.あるわけがないが,かわりに空気がやや澄んでいるようには見える.越後湯沢定刻.隣席のおじさんなど山行姿の人々はほとんどここで下車した.登山客ばかり目立つのは北越急行経由富山・金沢方面への乗り換えには時間が早すぎるからだろう.車窓がはっきりと脳裏に浮かぶのはスキーなどでたびたび訪れた越後湯沢まで.ここからさきはあまり乗り慣れない区間となる.

弥彦山を望む

発車して,すぐにまたまたトンネル.線形のためとはいえ,開けた谷があるのにわざわざ谷に沿ってトンネルを掘るという当時の発想に呆れる.トンネルというのは本来峠を越えるのが難しいところに掘って山をぶち抜く.すなわちトンネルと山筋とは直交することになるが,ここでは山筋と並行しているのである.このトンネルを抜けて浦佐.車窓から一見して何もない町である.というより町でさえない.湯沢と長岡の間が長すぎるので駅を設けたという感じで,田が広がっている.このあたりではかなり金色に近くなって穂が垂れていた.下車は数名,乗車が十数人.予想外の多さである.このあたりから新潟圏なのだろう.上りMAXときと離合.見るとあちらは満席.連休で東京を訪れるのだろう.両側の山が去って,広々とした平野が開けて長岡.非常に多くの乗車があって車内は立席も出る.見ると高校生もおり,新幹線が単に東京から新潟へと下るだけの交通機関ではないことを示している.弥彦丘陵のなだらかな山々を遠く左手に見て,信濃川を渡る.平野に出た信濃川は相当広いものと思っていたが思いの外の狭さである.放水路の機能が思い出される.刈り取りの終わった田も見え,その間に蓮田もちらほらと姿を見せ,丘陵にひときわ高い秀麗な山容の弥彦山を認めると燕三条.再び信濃川を渡り関越道が並行して市街地に入るとチャイムが鳴る.新潟0816,定刻の到着である.さすがに終着駅とあって吐き出される乗客の数も半端ではない.

新潟駅乗換改札いなほ1号特急の網ぶくろ

出口は在来線への乗換口と直接駅構外に出る二口があるが,乗換口はせまく非常に混雑している.大半は私と同じく6番線の「いなほ1号」に乗り継ぐ模様.指定席のお客さんだろうか,年配の山行姿の集団.小耳にはさんだ話によると出羽三山へ向かう模様.乗換口を抜けると跨線橋で,すぐに6番線に降りる.「いなほ1号」はすでに入線していたがドアは開いていない.自由席のほうには長蛇の列.指定席をとっておいてよかったと安心したら,急にお腹がすいた.朝からほとんど食べていないのだから当然である.発車まで数分しかないのでスタンドでかけそば.それでも弁当よりはマシだ.私は弁当というものが本当に嫌いで,弁当で腹を満たすくらいならあじさいのほうがいい.ここはあじさいではないので特別にまずいというわけではないけれど,決しておいしいというものでもないが,とりあえずお腹は満たされた.心配なのがここから先眠くなることだ.ドアはすでに開いていたので3号車の指定席に乗り込む.残念ながら山側窓際へのアサインであったが,これが意外に成功だったことが道々わかってくる.車両は由緒正しい上沼垂色の475系.今日はJR東新造のいやらしい車両から遠ざかっておりよろこばしい.

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