加藤良平『エプソン―「挑戦」と「共生」の遺伝子』

プロジェクトX系.服部精工の一員エプソンのプリンタ事業の萌芽は東京オリンピックで精工舎がクオーツ時計を作成した際に,計時結果を出力する機器を作成したところにあるという.たしかに時計屋さんがプリンタになぜ手を出したのかというのは疑問に感じるところであろう.エプソンの社風はソニーに似ておりかなり自由なものだという.しかし,その遺伝子はソニーが「技術」「地球企業」「エンタテインメント」とすればエプソンのそれは「エンタテインメント」が「共生」に置き換わったものだという.諏訪という地域を重視し,技術も独占せず公開し,環境への配慮も最優先するエプソンの姿勢はまさに共生にふさわしいと言えよう.注意すべきはそのような企業がなぜインクカートリッジのインクを半分使っただけで「インクがありません」と言い出すインクジェットプリンタを作っているのか,ということだろう.またエプソンEpsonの社名は1968年の最初に作成したプリンタ「EP(Electric Printer)-101」の子供sonから来ている.どちらもSONYを彷彿とさせる.

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