竹内誠, 池上裕子, 藤野敦, 古泉弘, 加藤貴『東京都の歴史』

非常にまとまっていて読みやすい.特に中世がすばらしい.太田氏関連の記述が豊富.これも江戸が徳川家康の入国によってはじめて発達したわけではなく,江戸湊が中世にすでに関東における流通結節点として紀州船や伊勢船が入港していたとする最近の研究の反映であろうか.ほかにも飽きやすい社会経済史も本書のように叙述されれば面白い.強力な執筆陣を揃えただけのことはある.地方史の書物はややもすると左がかった古くさいものになりがちだが,江戸だけにそのようなことはない.

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