神戸新聞社編『神戸新聞の100日―阪神大震災、地域ジャーナリズムの戦い』

阪神大震災は阪神一円を灰燼と帰した。神戸新聞社もまた例外ではない。本書は震災発生前日から完全自社発行復旧までの百日をジャーナリズムのありかたとともに問う。震災は神戸新聞社の入る神戸新聞会館も襲い、CTSをはじめほとんどの設備を使用不可能とした。その中で神戸新聞編集局は、京都新聞との友誼のもとに、京都新聞での製版を決意する。京都新聞もこれにフリーパスをもって応えた。一方で瓦礫の中をさまよってジャーナリズムとは何か、という問いを突きつけられる新米記者たちの想いは複雑である。

実際の被災者とジャーナリストとしての立場を併せ持つ神戸新聞だからこそ、この書物を作れたのだと思う。一度読むべきだと思う。そして続編『大震災 問わずにはいられない』へと視点はうつってゆく。忘れつつある今、大震災を大きく見つめ直すべきだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください