オルセー美術館展に行ってきた

国立西洋美術館で開かれているオルセー美術館展’99「近代の夢と現実」に行って来た。展示品の知名度から言えば、モネの「睡蓮」などを擁する常設展の方が圧倒的に有名だが、「近代」をうまく並べ、芸術からみた近代ヨーロッパを見るには好都合であった。

芸術の世界は非日常的である。すくなくとも近代以降は作家自身そう自覚している。世界の政治、社会の流れてゆく方向にいち早く気づき、その非言語的な部分を、芸術家はみずから「うつろえる民」として作品にあらわす。

企画展のおしまいの方に並べられる家族の肖像。そこには一見、平和な日常が描かれているように思える。しかしこの企画展の出口に待ち受けているのは 第一次世界大戦という想像を絶した戦争だったといえる。二度の世界大戦の前に実際に近代は崩れ去った。その幸福なひとときに一抹の不安を感じ、絵に表して いったのが芸術家たちである。

都市の設計図には、きわめて合理的な美しさがあるが、その完璧なまでの対称性はどこか危うさを含んでいる。歴史的な「当時の目」を知るには格好のチャンスであった。

もっとも個人的には三田祭発表のノルマを逃れ、幸福なひとときを過ごすという意図があったことはいなめない。上野の森はいつも優しく受け止めてくれるが、出てくるときの苦痛は筆舌に尽くしがたい。

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