湯川ゼミ学生のための基礎技術 Appendix.5 慶應義塾図書館の歩き方

この文書は、湯川ゼミ学生のための基礎技術の付属書です。第一章第一部「図書館をうろつく」のためのマップつきガイドです。なお、本文書に付属する慶應義塾図書館のフロアマップは全て慶應義塾大学三田メディアセンターの許可を受けて、大足が同センターのWebサイトから入手し、加筆、修正したものです。本文書の記述は2002年11月01日現在の配架に基づいています。配架はきわめて頻繁に変更されます。2005年度,南館の開館に伴い慶應義塾図書館の配架が盛大に変わっています.もはや本附録は役に立ちません.

Appendix.5 慶應義塾図書館の歩き方――探検のために

新館一階

慶應義塾図書館新館1階フロアマップ

まずは地上一階から行きましょう。玄関を入ります。まず二階への階段の下(A地点)に「冊子体目録」があるのを確認してください。これは、OPACで検索できない書籍を調べるのに使います。ではメインカウンターのほうに入っていきましょう。そうするとメインカウンターの前に出ますね。そのまままっすぐに歩くとレファレンスカウンターに突き当たります。ここは、我々のさまざまなやっかいな疑問に答えてくれるありがたい場所です。拝んでおきましょう。のちのちいいことがあります。レファレンスカウンターの左側にはコンピュータが並んでいます(B地点)。ここでIndex IslamicusMagazine-Plusというデータベースを調べることになります。

さて、レファレンスカウンターの右側から書架が並んでいます。ここには歴史学などの事典や文献目録が並んでいます。特に三つめの棚手前側の、一番奥のあたり(C地点)を注目してください。ここにイスラーム史関連のものがあります。最下段の緑色の事典が、最強のThe Encyclopædia of Islamです。地下一階への階段のまわりをぐるりと回りこみます。そうすると、階段を取り囲んで設置してある棚に百科事典がおいてあります。さらに回りこむと「雑誌記事索引」(D地点)があるのがわかります。これで雑誌論文の古いものを調べます。このとき背後には、語学辞書の山が並んでいることになります。なんの関連性もありませんが、ロシア語の『現代ロシア話し言葉辞典』は、笑いをこらえるのが実につらい名例文を連ねています。ロシア語など読めなくても問題がないので見てみてください。

わからない日本語もなるべく調べてみる癖をつけると吉です。無用な知識を仕入れることになりますが、細かいことでも意外な背景と意外な歴史を備えているものです。一階はこのくらいでしょうか。では、地下一階に進みます。

一階は以上です。

新館地下一階

地下一階には、我々が利用する日本語書籍のほとんどがあります。くまなく歩いてみましょう。

慶應義塾図書館新館地下1階フロアマップ

メインカウンター前の階段を降りていきましょう。突き当たりの一群の書架は、レファレンスブックの続きです。右に曲がって書架に沿って歩いてください。一番奥の書架の一番手前(A地点)に、イスラーム関連の文献目録があります。緑色をしたIndex Islamicusを確認してください。これでレファレンスは終わりです。次は、一般書籍です。

いま来たのと逆の方向に進み、突き当たったら左折、壁が切れたら右折して、エレベーターの前に出てください。ここからは、日本十進分類法を理解するためにも、その順番で歩いてみましょう(フロアマップの矢印のとおりに)。エレベーターの前にあるのが第0類「総記」の書棚です。情報科学などの本が並んでいるのが分かると思います。徐々に奥に進みましょう。二つ目の棚からは第1類「哲学」となります。四つ目の書棚入ったところ、手前側(B地点)を見てください。最上段に「井筒俊彦著作集」があります。さらに奥に進みましょう。五つ目の書棚入ったところ、手前側(C地点)は中世哲学ですが、最下段にイスラーム哲学の本が何冊かあるのがわかるでしょう。次の書棚からは160宗教になります。一番奥の書棚壁側の真ん中あたり(D地点)に「宗教」-イスラームに分類されている本があります。

矢印通りに進み、次の角で左折します。棚3つ分ほど、仏教、キリスト教と宗教が続き、4つ目奥側で、第2類「歴史」に変わります。このあたり(E地点)には、歴史学一般と世界史のシリーズ集が集まっており、我々の拠点の一つとなる場所です。そこを過ぎるとしばらく日本史が続きます。広い通路を挟んで、二つ目の書棚から、世界の各地の歴史となります。まずは、220アジア史です。二つ目の書棚コピー機側(F地点)にアジア史一般、つまりシリーズ『アジアから考える』とかが集まっています。そしてこれまたしばらく中国史、朝鮮史などが続き、最後から3つ目の書棚(G地点)で「中東」になります。ここがもう1つの拠点となります。そして最後の棚手前側に「北アフリカ史」があります。エジプトやマグリブは、ここになります(H地点)。コピー機の脇を抜けて、次の書架の列に進みましょう。この入口の辺りは伝記や家系などです。4つ目の書架を通り抜けたところを入ります。左手(I地点)には紀行が、右手(J地点)には地誌があります。シリーズ『イスラム世界の人びと』はここにあります。長かった第2類「歴史」もこの棚で終わりです。

次の書架からは、第3類「社会科学」となり、地下一階の残りは全てこの類です。まず310政治の配列が始まります。さきほどの場所から、書棚3つ分入ったところ手前側下段(K地点)に「中東政治」の類があります。さらに進み配列は折り返します。折り返したところの書棚壁際の一番奥(L地点)には中東関連の国際政治の書物があります。一つ進んだ書棚からは320法律が始まります。その書棚、一番奥側最下段(M地点)には、イスラーム法の書籍があります。中程まで進むと330経済に変わります。閲覧スペースから見て3つ目の書棚手前側(N地点)には、中東経済があります。閲覧スペースに突き当たって、再び折り返します。折り返して4つ目の書架は360社会学ですが、この書棚の中程(O地点)に『事典イスラームの都市性』があります。ずっと進んで、最後の書棚壁際(P地点)には、中東の人類学関連の書物があります。なお、このあたりは本当におもしろい本が多いですから、常々うろうろするとよい気がします。

地下一階は以上です。

新館地下二階

慶應義塾図書館新館地下2階フロアマップ

地下二階には日本十進分類法における第4類「自然科学」以降の一般和書、および概ね全ての一般洋書が収められています。地下二階の配架は、西南隅から始まります。では、参りましょう。3つ目の書棚奥側(A地点)には、第5類「技術」中の建築書があります。モスクの建築や、その写真集もここになります。続く棚が一つずつ、第6類「産業」、第7類「芸術」となります。第7類部にもイスラーム芸術関連の書物があります。さらに進んだB地点は、第8類「言語」です。関連言語の入門書があります。

その次の棚から、第9類「文学」となります。文学一般、それから日本文学が続き、折り返してまた日本文学が棚1つほど続きます。2つ目の棚から外国文学となり、中国韓国と言語分類順に進み、棚4つ目奥側(C地点)で「アラビア文学」「ペルシア文学」などとなります。そこから棚2つおいて、一般洋書(請求番号B以下)が始まります。これまた日本十進分類法で整理されて配架されています。0類総記、1類哲学と続き、壁際で2類歴史となります。折り返して、D地点のあたりにイスラーム史関連の洋書があります(『ケンブリッジ・イスラーム史』とか『ケンブリッジ・イラン史』とか)。なんでここに分類されるのかわかりませんが、E地点のあたりにはイスラーム美術関連の本が数冊あります。そこからまた延々洋書が続きます。なお第4類「自然科学」第5類「工学」(建築も含みます)は、地下4階に別置となっています。注意してください。

地下二階は以上です。

新館地下三階

慶應義塾図書館新館地下3階フロアマップ

地下三階には、東南隅に一般洋書の残り(9類「文学」のうち独・仏・伊・西・露など)が、残りの大部分の場所には学部・研究科図書(請求番号がA・B以外)の中文をのぞく文学部図書が収められています。どんな本がどの学部に分類されるかは、きわめて不安定に思えますので、この階と旧館は迷子になりやすい場所です。とりあえずは何冊かまとまっているめぼしい場所を紹介します。

A地点は美学美術史図書です。この付近に、イスラーム美術の本が何冊かあります。地下二階より多いように思われます。

B地点C地点は、教育学図書です。実はこの辺りに歴史学の本が多くあります。世界史リブレットは高校生向きなのでここにあります。また、平凡社の東洋文庫はC地点にまとめてドーンとあります。

そして本命はD地点付近にある請求番号OHの東洋史学図書です。和書も若干ありますが、かなりの量のアラビア語・ペルシア語の書籍が異彩を放っています。なんでもいいから適当に手にとって目を慣れさせましょう。

地下三階は以上です。

新館地下四階

慶應義塾図書館新館地下4階フロアマップ

地下四階からは、いよいよ人外魔境の雰囲気が増す場所です。というより地下四階が一番近寄りがたい雰囲気を発散している場所です。慶應義塾図書館の書架の中で、この階のものだけは可動型書架となっています。床にレールが敷いてあって、スイッチを押すと書架が動いて、その隙間に人間が入って、本を探しに行くシステムです。しばらくこれに慣れましょう(というか遊んでみましょ)。

とはいうものの、この階で閲覧すべきものはあまり多くはありません。1970年以前の古い雑誌(A地点)と大学紀要(B地点)くらいでしょう。

なお可動式書架を動かす際は、同じエリアに人がいないかどうか、かならずチェックしてください。一応安全装置は付いていますが、書架に挟まれるという恐怖感は理性以前の代物です(マジで超怖いです)。他の利用者を怖がらせてはいけません。

地下四階は以上です。

新館地下五階

慶應義塾図書館新館地下5階フロアマップ

ダンジョンの一番下、地下五階です。ここは古い洋雑誌や年鑑などがあります。一番西北隅には外交文書があります。とりあえず確認した限りでは、国連、英米仏のものがありました。近代をやる人は見る機会があるかもしれません。

またエレベータホールの正面のドアを開けると、大型本書庫があります。ここは美術全集や、写真集などのばかでかい本が別置され収められます。ここは本当に楽しい場所です。『国鉄創立100年記念写真集』もここで見つけました。ぜひ一度のぞいてください。

地下五階は以上です。

新館二階

慶應義塾図書館新館2階フロアマップ

ようやく穴蔵から出てきました。この階には大学紀要があります。というより、それ以外はありません。OPACで検索して、配架場所が2階になっていれば、それは大学紀要ということになります。西閲覧室に、発行大学のローマ字順に紀要が配架されています。注意すべきことは、大学紀要であっても、慶應義塾の紀要は3階に、1970年以前のものは地下4階にそれぞれ配架されるということです(これはOPACには表示されません)。

もっとも利用頻度が高いのは東京大学の紀要でしょう。「回顧と展望」が掲載される『史学雑誌』も発行大学は東京大学です。配架場所は、地図のA地点です。『西南アジア研究』や『東洋史研究』を出している京都大学はB地点となります。

地上二階は以上です。

新館三階

慶應義塾図書館新館3階フロアマップ

3階には大学紀要ではない和雑誌と現代研究に必要な年鑑・統計、および新聞が収められています。和雑誌は、一番東北の隅から、南に向かって、誌名のローマ字順に配架されています。雑誌は数冊をまとめて製本されます。したがって一冊には数号分の雑誌が入っていますので注意してください。よく利用するものとしては、A地点『イスラム世界』B地点『日本中東学会年報』(これは何語であっても投稿できるという珍しい学術誌)、C地点『オリエント』があります。

おおむねOくらいで、東側の配列は途切れ、中央の事務エリアを越えて、続きは西側に配架されます。D地点には『東洋学報』などがあります。その続きに年鑑などがあり、さらに新聞縮刷版となります。三階カウンター前にあるコンピュータ群(E地点)でもMagazine-Plusをはじめとした各種データベースを利用できます。

なお慶應義塾の発行する紀要はF地点に、また雑誌の新着数号は未成本新着雑誌棚に配架されるので注意してください。

地上三階は以上です。

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