穹窿に透ける青、地を敷く黄金

東京の冬は、限りなく明るい。空を仰げば、どこまでも吸い込まれる青。

11月も末になると、季節は冬。空気の張りつめる朝を避けて、昼過ぎに三田へ向かう。三田のキャンパスは丘の上にある。坂を上り、息をついた。ふと空を仰ぐ。なんと澄みきった青の色合い。視線が空に、遍在する光にとけ込んでいった。この感覚こそが、冬の訪れを告げる。

風が吹いた。肌を刺す冷たさに怯えて、身を縮める。と。青一色の視界にキラキラと黄金色に輝くイチョウの葉が舞っている。ようやく坂を上り終えて、丘の上に出たところだった。目を戻すと、いちめんに広がる金色の地面。東京の冬は、透き通る青と黄金に始まるのだ。

ずいぶん早い、と言われた。そう。そういえば、例年は大銀杏が色づきはじめるのはラグビー早慶戦のころ、地面が黄色に染まるのは師走に入ってから だったはずだ。今月初めにずいぶんと寒い日が続いたせいだろうか。大銀杏の葉はもうほとんど散ってしまっている。すこし残念な気もする。だが、この美しい 庭に心躍らずにはいられない。いま、三田キャンパスは一年でもっとも魅力的な季節を迎えている。

満たされた秋の終わり、冬のはじまり。願わくばとこしえに斯くのごとく、三田の季節の移ろいをが繰り返されますように。そして、それをいつまでも。

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