世界史の歩き方 第一回構想草案”North Wind” phase.1

というわけで、長らく溜め込んできた構想を徐々にはじめてみようというわけ。

はじめは銀の流れを追って全世界的なネタを提供しようと思っていたが、あまりに膨大な文献数になってこちらの道案内を相当に固定的にしないと書きにくい。そうすると自由さが失われてしまって面白くないので、断念。このネタはもう少し温めることにした。

で、第一回はテーマを固定せず、きわめて抽象的なものとして「北」を扱ってみようと思う。「北」という名の地域はこれまで辺境扱いされてきたわけだが、近年に至って境域を重視する立場から、きわめて活発な議論が展開されるようになっている。そこでこれを使ってみようというわけだ。

北方は雪に閉ざされた世界であるという我々の意識は、半分くらい正しい。近世の「北」はシベリア横断の厳しさを想像するまでもなく、厳寒と豪雪に閉ざされた世界である。しかし果たしていつでもそうだったかというとそうではない。幸運なことに我々は今、気候史の成果を手にすることができるのだ。13世紀から16世紀くらいの幅をとり、京都を出発し、北まわりに西進し、リガを経て、ケルンに至る道を想定してみたいと思う。一つ場面を移すごとに50年くらいずつ時代を遅らせてみようと思う。

はじまりは1250年前後の京都。使庁の手で捕らえられた悪党が、鎌倉、多賀城、外が浜を経て、渡島まで流されてゆく過程をまず追う。続いて、大都を発し、北東に進んだ大元ウルスのアイヌ征討軍にしたがってみよう。その後いったん上都まで帰還し、北方を視野にいれつつオアシス地帯を西へ向かい、ウラディーミルを目指そう……。しかしたどり着くことなく東北へと時空を飛び、シベリア・カン国に居を定め、その興亡に北辺にある意味を見つめたい。一応ここまで論文ネタはそろっているが、少々南より。まぁしょうがないのかな。さらに精査の必要有。最後のネタはやや時代を下るが「北の十字軍」を取り入れたいなと考える。なんとかして場をつないで、リガまで行かなければならない。もちろん前後の脈絡はないが、並べてみると意外とおもしろそうな気がする。

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